深山知子一級建築士事務所・レトノ 深山知子一級建築士事務所・レトノ

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2020.2.18

宇宙観

スリランカの建築は、自然との一体感を感じられるものが数多くあります。世界には自然との調和を考えた建築が沢山ありますが、スリランカの建築には、単純な癒しや感傷に浸るだけではない、何か深淵なるものを感じます。それは、スリランカという国のベースにある伝統医学(アーユルヴェーダ)の考える宇宙観が、建築に反映されていからではないかと考えています。スリランカで盛んなアーユルヴェーダとは心、体、行動や環境を含めた全体としての調和が、健康にとって重要とみる伝統医学のことです。そして医学のみならず、生活の知恵、生命科学、哲学の概念も含んでおり、病気の治療と予防だけでなく、より善い人生を目指すものであるとも言われ、健康の維持・増進や若返り、さらには幸福な人生、不幸な人生とは何かまで追求しています。
今から迎える宇宙時代にとっては、アーユルヴェーダのような伝統的な宇宙観がとても大切だと感じています。そして私が興味を持っている宇宙学(宇宙空間すなわち地球の大気圏外の空間領域を研究する学問の総称)は、地球の大気圏外に出ることで物理法則から外れて行き、意識の拡大が起こり次元を超えて行きます。高次になればなるほど大気圏内で感じられた五感を超えて六感、七感と言われるエネルギー領域に入っていきます。そこにはアーユルヴェーダの宇宙観と、宇宙学との共通点を沢山見出すことが出来ます。私は今まで過去の経験や、様々な建物を見た経験から居心地の良さとは何なのか、人にとって良いと思える普遍的な空間とはどのようなものなのか、ということを考えてきました。 しかしこれからは、今までのような大気圏内にある五感を通しての思考で物事を捉えるのではなく、大気圏外にある五感以降のエネルギー体を感じ取ることが出来る領域(ハート)を使うことで新しい建築の可能性が広がるのではないかと考えています。