メッセージ

心の調和を目指して

マクロの世界を扱う宇宙では、ダークマターやダークエネルギーのような見えないものが存在し、宇宙の90%を占めていると言われています。一方、ミクロの世界を扱う量子力学においては、量子もつれ、量子テレポーテーションなどの摩訶不思議な現象があります。そして、素粒子には意識があるとも言われています。このことから目に見えないものが、見える世界を支えていることに気づき、目に見えないものこそが大事だとわかります。
今までは、宇宙の真理を説いた密教、人間の本質を探究する哲学、時間と空間を含んだ現象界を扱う物理学、素粒子などのミクロの世界を解明する量子学などが別々に考えられていました。しかし、もはやそのことに無理を生じ、これからはすべてが統合された万物に共通する一つの理論になると言われています。
私は日々の仕事を通して誰もが居心地が良いと思える空間とは、どのような空間なのかを考えるうちに、目に見えない心を扱う潜在意識の重要性に気づきました。普段意識する顕在意識の中に、人の求める本質的な居心地の良さは現れてきません。なぜなら、顕在意識とは現象界で生きる為に、人にとって本来必要でないものに覆われているからです。現象界において建築は、五感を通して変化に対する小さな気づき(潜在意識と共鳴する波動)をあたえ、その小さな気づきから潜在意識の中にある、人の本質的な居心地の良さにアプローチしていくことが大事です。つまり、人の無意識を観察し続けることで潜在意識の中にある本質的な居心地の良さを読み取ることができます。そしてそれらを建築の中に手法として、ちりばめることが出来ます。この些細な行為、微差の積み重ねこそが、いずれ大差になると思います。このことは、住宅に限らず建築全般においても必要不可欠なことであり、心と体が不調和を起こした時でも建築の力によって精神を開放し、生命的で且つ調和的な潜在意識へと変えていくことが可能だと私は信じています。