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「静謐さ」について

静謐さとは“静かで穏やかなさま”という意味です。静謐さとは、概念なので形として表現できませんが、私の感じる静謐さとは、早朝の朧な光が満す静謐さ、あるいは音がふと途絶えた時の静謐さ、夜空を見上げ宇宙の深淵さを感じた時に訪れる静謐さなどです。私は仕事柄建築を見ることが多いですが、これまで体験した空間の中で魅力を感じた建築には必ず静謐さがありました。以前ご紹介した谷川美術館もその一つです。この美術館は、光源を見せないことで光を絞り、また天井、壁、床を同素材にし境界を曲線にすることで一体化しています。建築に関わるすべての情報(開口部、天井、壁、床などの構成要素、素材など)を極限まで減したこの空間のつくり方によって、静謐さに満たされているのだと感じました。
人は静謐さに満たされた空間の中にいると、深い瞑想状態(I am 私は在る)となることができ、そして精神世界へとつながり自分の内なる空間を発見します。そして、自分の本質に気付くことができます。
建築や住宅とは、この静謐さを具現化し顕在意識を超えた潜在意識の世界へと繋ぐきっかけになるもだと考えています。