深山知子一級建築士事務所・レトノ 深山知子一級建築士事務所・レトノ

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2018.1.5

響く

アトリエレトノの「レトノ」は、ラテン語で「響く・反響する」という意味があります。設計の原点には、空間の響きが大切であると考えアトリエレトノの事務所名としました。空間の響きとはなんなのか?なぜ大切なのか?響きとは、二つのものが共鳴し合うイメージです。建築における響きとは、空間を構成する物質が、相対的な関わりによって生まれてくるものだと考えています。例えば、庭の緑は絞られた光または、反射光がなければ輝きません。開口部のフレーミングを際立たせる為には、周りにある程度の量の壁が必要です。また、ダイナミック性は空間の面積や体積の大小によって生まれてきます。このように相反するものや、そうでないものもがあり、空間を構成するあらゆる物質において、無限の可能性があります。そのように空間を響かせることができれば、精神性の感じる静謐な空間となります。一般的に住宅には機能性を求められますが、一見無駄だと思われるようなこの行為こそが、最も最優先されるべきものなのです。その可能性を今年は、もっと深く探求していきたいと思います。それが人の心を動かし、日常に小さな気付きをもたらし、住宅の最大使命である、人生の幸福につながっていくのだと考えています。