深山知子一級建築士事務所・レトノ 深山知子一級建築士事務所・レトノ

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2017.4.29

灯り

夜の落ち着いた雰囲気を創り出す為に、照明計画はとても大切です。照度・位置・器具選定などにとても気を遣います。しかし、照明を点灯しない日中は、照明器具の存在がとても気になります。なぜなら、照明器具によって日中の光を妨げてはいけないと考えているからです。特に天井をダウンライトで埋め尽くしては、光の美しさを感じられなくなります。人が光に包まれ癒されると感じるには、天井や壁を綺麗に仕上げバランスの取れた空間構成にしなければなりません。また、ダウンライトの灯りは空間に強く影響しすぎると、私は感じてしまいます。そのかわり私は、明るすぎず暗すぎず、適切な照度を補い、尚且つ主張しすぎない間接照明を用いることが多いです。これにより夜も照明器具の存在を消し、灯りだけを際立たせることで上質で落ち着いた雰囲気になると考えているからです。また、天井の高いダイニング空間ではペンダント照明を採用しています。テーブルの上にペンダント照明があることで空間に求心性を与えそこに人が集まるような和やかな印象をもたらすと考えているからです。アトリエレトノのコンセプトである、上質で落ち着いた雰囲気を創り出すための方法が他にないのか?まだ見つけていないのではないかと模索し続けています。だからこそ照明計画一つ一つ丁寧に考え俯瞰し計画しなければならないと考えています。現在、計画している住宅でもいろいろ模索し探求し少しでもコンセプトに近づけたらと思います。